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HAMILTON "Thin-O-Matic"通称シャーク 自動巻き 稼働品 永年オーバーホールされていないので分解清掃をお勧めしてます。 ◆以下独断偏見◆ 1960年代のハミルトンのファーストカタログに95＄で登場している。 当時の為替は１＄＝360円。平均給与は18,500円程。給与の２か月分に相当する。とても高級品だったに違いない。 モデル名の"Thin"は"薄い"という意味。自動巻きムーブメントを製造するには、当時の主流であった手巻き式キャリバーに、自動巻きローターを追加搭載する必要があった。現代でも同様だがムーブメントの厚みと自動巻きローターの厚みには相関性がある。薄さを追求すると巻上げ効率を得られず、重さを追求すると、分厚く装着性の悪い腕時計が完成する。薄さと自動巻きを両立させた本モデルには”Thin”（薄く）そして”O-Matic"（自動巻き）という華々しい名前が相応しい。 キャリバーは所謂、ミニローターで、スイスBURENのムーブメントを搭載している。BURENの工房は1932年に倒産しスイス資本として復活、54年にV字回復の足掛かりとなるミニローターを開発し、ホイヤーやブライトリング等と共同開発をする事になる。このミニローターを本モデルは搭載している。この後ハミルトンがBURENを買収し、そのハミルトンもスウォッチに買収される運命にあるのだが。。。 フェイスはパックマンのようなツートーンフェイスになっており、ケースの魚の鰭のようなデザインと相まって全体がとても美しく仕上がっている。アップライトインデックスを途中でやめるという決断を誰ができたであろう。イカれた格好良さだ。竜頭にＨのロゴが見当たらないため交換されていると推察される。同時に針もドルフィンハンドに交換されていると推察。 裏蓋にはWater protected, Anti magnetic, Shock protected, Stainless steel back,の文字が確認できる。前記した自動巻きや薄さを合わせれば、全部乗せのような贅の限りを尽くしたモデルである。 製造から60年経過したものとは思えない良い状態だ。フェイスに目立つ灼けがなく、風防もスレ傷程度、金張りの剥がれも目立つものがない。 分解清掃する事であと50年は働いてくれるだろう。（勝手な推測）